氷の花火〜山口小夜子

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2007年に急逝された山口小夜子さんが遺した遺品を死後8年経って初めて開封し、その遺品たちと一緒に彼女の人生やキャリアを改めて追った映画。

 

私が山口小夜子さんを知ったのは大学3年生のとき。銀座の資生堂でやっていた中村誠資生堂ポスター展みたいなのを見に行って、そこでなんだこのキレイな人は!と思った。(資生堂ポスターの色の綺麗さと中村誠の細かい仕事っぷりにも驚いた。)

それからこの映画を見るまで彼女が喋ったり動いたりしている映像を見たことがなかったから、勝手にクールな人を想像していた。特徴的な切れ長の目と赤いリップからもそういう印象を受けた。

でもそんな印象は映画を見たことで全く変わって、実はすごく可愛らしい人なのだということを知った。喋り方もそうだし、後輩モデルや同窓生、スタイリストなど周りの人のエピソードからもそう感じた。良い意味で普通というか、可愛らしいお嬢さん、みたいな表現がぴったりだなと思った。

あと本当は目がクリクリ系で大きくて、撮影のときはあえて細めてたというところはとても印象に残っていて、彼女の美しさは実は計算、演出されたものなのだとも思った。黒髪ぱっつん、白い肌、切れ長の目、赤いリップ、ゆらゆらした歩き方など、自分の武器をしっかりと自覚して効果的に使うことがどれだけ大事なのかがよくわかった。

 

そして、彼女は生涯を通してずっと色々なことにチャレンジしてた。日本人モデルなんて全くいない中でのパリコレモデルから身体パフォーマンス、デザイン、DJ、若手とのコラボ。そういう常に何かに挑戦していたり、新しいものを取り入れようとする姿からはかなり刺激を受けた。

 

映画の後半、松島花という現役のモデルを通して山口小夜子と再会するという企画があった。私は最初「なんか変なので終わりそう。オードリーヘップバーンに似せるやつとか大抵完成度低いし…」と思ってたけど、これがまじで山口小夜子との再会で、涙が出そうになった。本人を生き返らせて撮影したんじゃないかというくらいの完成度で、撮影に携わってた、生前の山口小夜子と交流もあったメイクの人とかカメラマンの人とかも大興奮で、とにかくすごかった。

それと同時に、あの関係者たちの喜びようからみんなまた山口小夜子に会いたいんだな、本当に早すぎ・予想外すぎる死だったんだなとも思った。

 

もしDVDとか出てレンタルされたら(可能性低そうだけど)もう一回見たい。てかもう一回映画館行こうかな。